残雪の鬼が面山
行けそうで行けない山であった「鬼が面山」へ出かけた。
アプローチとしては実に楽なものでR252の県境に近いトンネルの手前に
登山口があるのをずいぶん前から知っていたのだが
登るきっかけがつかめずに長い年月がすぎてしまっていた。
版画家のY画伯に「R252が開いたから鬼が面へ行こう」と誘われ
地元の有志と1昨年の太郎助山へご一緒した早歩きの超人M氏が加わって
総勢6人で早朝6:00に車上の人となってガスが渦巻くなかを
六十里峠へと走った。
左手に全面スラブ状態の斜面が広がる「裸山」が現われると
残り数回のカーブを経て登山口に到着する。
狭い駐車スペースには先行者はおらず、吐く息が白いほどの冷気のなか
出発準備を整えるが地面には霜が降りているし水溜りは凍っている。
そんな中でも超人M氏は半袖のTシャツにネット地ベスト一枚で歩き始める。
10分ほどで体も温まったので小生も半袖のTシャツ1枚になってしまったが
皆はせいぜいが長袖のシャツどまりで、よほどわれ等が暑がり?
幾つかの沢を通過する度に沢を埋めた残雪のトラバースを強いられるが
ピッケルで足場を切ったり登山靴でステップを作ったりと
この時期には欠かせない作業で次第に体が温まる。
やがて尾根の直登が始まるが思ったほどの斜面でもなく、
すぐにマイクロウェーブの反射板がある鉄塔下に到着し休憩。
ここからはほとんどが残雪の上の歩行となるが
右側は切れ落ちる垂直の壁に張り出した雪庇であるし
頭を出した樹木を目安に慎重なゆるやかな雪上歩きとなる。
南岳を過ぎたあたりから昨日降った新雪の跡がしっかりとわかるほどで
その名残だろうか北からの風が強く半袖ではやや涼しい。
どうも偽ピークに惑わされて頂上の手前2つ目くらいを「頂上だ」などと
喜んでいたらまだ先があるらしく、改めて20cmほどの新雪吹きだまりを
越えながらようやく頂上、「浅草岳」の全容が眼前に広がった。
振り返ると左から毛猛山、檜岳、太郎助山が大きく迫り
遠くには左から尾瀬の燧ヶ岳、平ケ岳、荒沢、駒などが
まだまだ豊富な残雪をまとって輝いている。
長袖のシャツを着込んで早めの昼食となる。
各自湯を沸かすあたりが自前の装備を万全にする熟達者の様子である。
ビールを2本も飲む猛者や恒例の大きな鍋に作られた味噌汁を振舞ったりと
冷たい強風を避けながらの楽しいひと時であった。
さて残雪期の山の下りの醍醐味は駆けるように雪面を飛ぶ
グリセードとは異なる独特のなんとダイナミックな下降方法であろうか、
こんな事は雪国の人しかやらないだろうな。
登り3時間半、下りは1時間半でやっつけてしまった残雪登山。
いずれもつわもの揃いの中に加えてもらった小生は
暖冬小雪のシーズンを終えるに相応しい残雪登山を楽しませてもらった。
鬼が面山頂上手前の雪庇
鬼が面山頂上から田子倉湖を望む