大晦日の夕方に「里山元旦登山」を約束した。
パートナーは近くに住むY画伯である。
年末の降雪が終わってからは天候が安定してきたし
予報では「晴れ」、前日の夜にも星が見え始めた。
昨年は豪雪の中で元日は快晴で遠目にも山頂付近を歩く姿を
うらやましく見ながら来年はと思っていた。
さて当日は靴底の雪が「バリバリ」と音をたてるほどの放射冷却の朝、
吐く息が真っ白になる冷気のなか出発。
駐車所には他の車がなく、われ等がラッセル担当になる様子。
樹林帯はスノーシューの爪がよく利いてガシガシと高度を稼ぐことができたが
画伯が心配したようにいたるところ潅木が雪の重みで倒れかかっていて
歩きつらくて夏道のとおりには歩行できずにつらい。
それでもトップを歩く画伯は「やぶこぎ」のプロらしくぐいぐいと
力ずくでラッセルをしながら飛ばしてゆく。
潅木の根元に隠れた穴に足をとられたり、余分な迂回をさせられたりと
最初のルート作成はけっこう大変だが彼はむしろ楽しんでいる様子。
「うさぎ」や「かもしか」の足跡が新雪の上に散らばり
ところどころに小動物のマーキングがやや赤みがかった黄色の染みを残している。
すでに下着は汗でぐっしょりだし、顔からは汗がしたたり落ちる。
セーブしたものの「大晦日」のアルコール分が一気にほとばしり出た様子。
無雪期の倍はかかった山頂へのゴールイン。
ペットボトルの水を一気に半分ほど飲み干してようやく風景を見る。
雲が薄く広がっているものの八海山、駒ケ岳が朝日に輝いている、
眼下の山野は暖冬小雪の影響で多くの木々の梢が雪の中から頭を出して
なにやら山水画のようである。
リンゴを齧り珈琲を飲んだらあとは下るだけである。
画伯はまたまた飛ぶように駆け下りてゆく、小生はどうもスノーシューでの
下りは苦手であって、昨年の春にもずいぶんと転んだから今回は慎重。
途中で年配者とすれ違ってすこし下ると画伯が数人の人たちと談笑しながらまた登ってくる。
なんとそれはわれ等より先行していると思った人たちで、
すでに初日の出を別の山で終えてからこの里山で宴会をやる為にまた登ってきたという。
宴会への参加を促されて再び急斜面を登り始める。
半分ほど下っていたが、今度は踏みしめられた雪道だから
楽なペースで歩くことができた。
慣れたものでスコップで宴会会場の設営にかかるメンバー、
ザックから次々に出てくるお酒とおつまみ。
そのうちにもうひとグループと単独行の男性が到着して
それぞれが宴の準備をはじめている。
われ等と違って、最初からそのつもりで来ているので手際が良い。
ビール、ドブロク、菊水のアルミ缶が雪のテーブルに並ぶ。
鴨肉ローストのつぶ胡椒和え、ホッケの飯寿司、お新香、きのこ煮物など
いやいや驚きの宴会料理です。
そのうち絵描きグループの人たちはスケッチを始め、我等はそろそろ帰る準備、
再び登り返した苦労が吹き飛ぶごちそうにお礼を述べて
薄日が差し込む里山の頂上を後にした。