八海山+阿寺山 登山
10月27日(金)の夕方「Y画泊」から電話、
明日は天候が良さそうなので「八海山+阿寺山」へのお誘い。
Y画伯とは「飯豊連峰縦走」をご一緒する予定であったが、
日程の調整がつかずに彼を置き去りにして出発した経緯もあり
久しぶりに地元の山の紅葉も味わいたいので快諾する。
予定では「八海山ロープウェイ」でアプローチを省略した後に
「八ツ峰」を越えて「阿寺山」まで縦走する約7時間の日帰り登山。
7:00前に画泊が迎えに来て車2台で出発。
今回は登山口、下山口にそれぞれ車を配置しての登山である。
このところ晴れた魚沼の早朝はガスが湧き上がる日が多いが、
八海山の麓に近づくと青空が見え始めた。
まずは「阿寺山」の登山口に画伯の車を置いてから
ロープウェイの駐車場に向かう。
週末の好天のせいか駐車場は県外車が多かった。
8:00が始発なのに7:30くらいから列が出来ているから驚くが
谷川岳に比べたらまだ少ないほうかな・・・。
なんとか始発のゴンドラ(80人定員)に乗車できたので
最初から先頭を歩いて快調に飛ばし始める。
ゴンドラ頂上駅からは一度、展望台まで登った後にゆるやかな
登下降を続けて最低鞍部までは散歩道のようなお上品な登山道である。
いつもの如く歩き始めるとすぐに汗ばんで半袖のTシャツ一枚になった。
まず「女人堂」までは朝の冷気を味方にして体を慣らすことになる。
鞍部からは急斜面が「女人堂」まで続くわけだが、
いろんな場所に弊紙が奉納されていていかにも信仰の山である事を認識する。
途中に岩場が現れて「胎内潜り」のコースと別れて急な鎖場になる。
画伯は「胎内潜り」、小生は尾根コースを行くが鎖場を越えたらすぐに合流。
「女人堂」はログハウスの立派な小屋である。
ザックを降ろして水を飲み小休止、
昔は女人禁制で、女性はここまでしか参拝できなかったのだろうか。
見上げると「薬師岳」が大きく聳え立っていていよいよ山という感じがする。
ここから「千本檜小屋」までがけっこうな急登が続くわけだが、
思ったほど汗も出ないし、不思議と疲労感は覚えない。
数年前、夏のある日、夕方から同じコースを歩いた時のバテ方は最悪だった。
越後の山は春か秋がいいなあ・・・。
八海山独特な岩場が現れて鎖が設置されているが、
凹凸が多くて岩が乾いていればフリーで充分登れた。
最後の鎖場を越えるとあっけなく「薬師岳」に到着した。
ここから「千本檜小屋」は少し下ってから登り返したところにあって
目の前にかまぼこ型の宿舎と本殿小屋が見える。
「千本檜小屋」は営業を終わっていた。
さていよいよここからが「八ツ峰越え」である。
「地蔵岳」の登り口から「迂回コース」が分岐されていて
初心者や体力不足の人達はそちらのコースを選択できる。
立て看板には「滑落すると死亡します」という警告文が明示されている。
皮のグローブを装着してほぼ垂直に近い岩場を強引に登る、
「不動岳」「七曜岳」「白河岳」「釈迦岳」
まさに鎖場の連続で腕力勝負の登下降を強いられるが
降りで切り立った奈落の谷底を見ながら鎖を使うのはさすがに緊張する。
これが雨の日ならば絶対に近寄らないことだ。
コース中に平均10mの鎖場が40ケ所もある事が案内図に記されているが
数える暇も無く、ピーク毎に奉納された石柱や祠を横目に通過する。
「釈迦岳」からは本コース一番の威容を誇る「摩利支岳」が前方に聳え
恐ろしいほどの威圧感を与えているが、アドレナリンは順調に抽出されている。
両足を岩場に突っ張って握力で鎖を握りながら体を持ち上げる、
逆に下降では股の間から足場を探しながら体を宙に浮かしながら下る。
過去に何人もの人が自分の体を支えきれずに転落しているのは
恐怖感が先行して体が硬くなったりバランスを欠くせいかもしれない。
「大日岳」の最後の15mの垂直に近い鎖場を終えると「八ツ峰」越えは終了だ。
ここから「入道岳」までは尾根道の登りで緊張感は弛み始めた。
このピークは1770mの本コース最高峰である。
足元からは「阿寺山」への分岐を経て一気に「中ノ岳」に至る尾根道が
まるでジェットコースターの登りラインのように天空へ突き上げている。
紅葉前線はすでに渓谷の両岸にまで下降していて秋の傾いた陽射しに輝いていた。
「越後三山」または別名「魚沼三山」を平野側からばかり見ていると
「駒ケ岳」から「中ノ岳」に至るたおやかな縦走路や
「八海山」と「中の岳」の間に存在する驚くほどの標高差に眼を見張る。
これから目指す「阿寺山」はこれまでの岩だけの山と異なって
穏やかな草原が広がる越後の山といった様相がうかがわれる。
まだ紅葉していない緑と赤や黄の紅葉真っ盛りの木立が頂上付近に纏まっている。
一度鞍部に下りてからは湿原の端を歩いているような草原と次々と現れる池塘が
まるで「尾瀬」を思わせるようであった。
頂上直下の池のほとりで遅めの昼食を摂る。
左から「八海山」「駒ケ岳」「中ノ岳」と広がるパノラマをおかずに
最近の日帰り登山に持参する「めんぱ」を開けて食べ始める。
暖かな秋の陽射しのなか静かな晩秋のひとときである。
草原のヘリから下降路に入るとすぐに潅木帯が始まって
湿原のイメージは一変して魚沼の自然林であろうか。
北側の斜面のせいか葉は落ちていて視界はよく、
右手に「八海山」の岩場がずっと見え隠れする。
やがて斜面は急なブナ林へと変わって「オオダケカンバ」や
ブナの大木が林立する林間コースになった。
前回の「飯豊連峰」で痛めた両足のつま先がまた痛んでいる。
この靴も急斜面の下降には無力なのだろうか・・・。
粘土質の路に落ち葉が堆積して滑りやすくなっているせいか
何度もバランスを崩して転ぶ。
痛んだ足をかばっているのかへっぴり腰で歩いているらしい。
画伯からストックを一本貸して貰ってなんとか耐えていたが
急斜面が終わって沢筋の平坦な道になったとたんに
緊張感がゆるんでしまって足が重くなった。
今月はよく歩いたものだ。
当分は一日に6、7時間も歩く山は休もうと思う。
車にたどりついた時は登山靴の靴紐を緩めてそんな事を思った。
摩利支岳方面
中ノ岳縦走路
阿寺山から八海山を望む
梅花皮岳方面
門内岳方面
御坪付近1
御坪付近2
大日岳
大日杉小屋