例年であればGWに登る「守門岳」にようやく足がむいた。
遠望すると残雪が多くて大好きな「残雪歩き」がまだ充分楽しめると
思っていたのであるが、連日の好天と高温で雪解けが進んでいるので焦った。
この2、3年残雪の守門に登っている友が山菜採りを兼ねて
魚沼に足を運ぶとのことなので天候も安定しているし
いつもの「二口コース」から登った。
土曜日だし須原にあるロッジから余裕の出発だったが、
7:15の駐車場はほぼ満車、山菜採りの車もあるにしても
いつになく混雑した守門になりそうだ。
朝の冷気のなか長袖で出発したが15分ほどでTシャツになった。
綺麗に計画伐採されたブナ林の急登をひたすらに登るが
朝日の木漏れ日が若葉を透して快い。
「護人清水」からは残雪が現れたのでなんとなく嬉しい気がする。
知人に言わせると小生は根っからの「残雪好き」なのだということ。
今回も愛用の「スパイク長靴」なので残雪の上を歩く気分は最高である。
「谷地平」までの急斜面を終えると痩せ尾根が現れるが
森林限界を終えた尾根道は太陽の陽射しが暑い。
至るところ中越地震とこの年の大雪で登山道が崩落しかかって
なんとも痛ましいが個人の力ではどうしようもないのが残念である。
釣り尾根を終えて最大の急登にかかったが
潅木帯を抜けるまでは雪原は現れなかった。
それでも雪原に出ると気持ちがおおらかになって足取りは
弾むようになってしまう。
「青雲岳」のピークを停まらずに一気に「守門岳」山頂まで歩いた。
途中の雪庇も思ったよりは後退しておらず
6月の初旬だというのに1600mに満たないこの山でこんな
残雪歩きができる幸せを噛み締めながら稜線散歩を楽しむ。
やや霞んだ天候だけども、なんといっても大好きな山なのだ、楽しい・・。
予想を上回るタイムで頂上に到着し、お昼にするにはあまりにも早い、
(数人いた先行パーティはビールなど飲みながら食事をしていたが・・)
我らはお茶とケーキを食べただけで30分ほどで下山にかかる。
続々と追い越した人たちや後続のパーティとすれ違うが
時間的にはまだ正午にはだいぶ余裕がある時間帯であった。
登りではザックに仕舞ってあったカメラを取り出して
撮影を楽しみながら快適に駆け下りる残雪の斜面だ。
雪解けが早い登山道の両端には「カタクリ」が満開で
時折「コブシ」の花がほのかな香りを漂わせたり
紅一点の「ツツジ」が彩りを添えたりして
いかにも初夏と晩春が同居した「残雪の山」らしい。
友は淡いピンクの「イワウチワ」とやや紅みがかった「イワカガミ」の
競演に驚嘆の声を上げていたが、こればかりはその場に
居合わせた人でないとわからぬ感激であると思った。
たっぷりの残雪が残る「谷地平」で丁度正午になったので
足元から湧き上がる冷気とブナの新緑からもれる木漏れ陽のなかで
2回目の湯を沸かしてお昼にする。
なんという幸福感だろうか、いろんな事が許すならばここで1日中
美味しい珈琲でも入れて本でも読みながら過ごすのもいい。
南国の海辺のカフェや欧州のアルプスが見渡せるテラスでの珈琲に
匹敵する場所と景観なのだと確信している。
まだ訓練の足りない「ウグイス」や「ホトトギス」の囀りが時折聴こえるだけで
ただただ静寂な山の中にある緑と残雪の空間・・・いいなあ・・・。
「護人清水」で持参したペットボトルを満杯にして
今宵開かれる残雪期最後の登山を祝う宴の準備とした。
ブナの緑のトンネルを少しばかり名残り惜しみながら
ゆっくりと登山口に向かった中高年登山者であった。

青雲岳から大岳

緑のトンネル

谷地平の残雪とブナ林